路地裏の攻防小話
*シアンチーム、マゼンタチームの皆さんお借りしてます
*キャラの視点が移り変わる形式
相手はこの街で生まれ育ってきた。地の利は向こうにある。でも負けるつもりはさらさらないし、こっちにも強い味方がいる。グラエナが狩りをするように、獲物の進路を少しずつ断とう。自分たちの優位なポイントへ誘導するのだ。いくら道を知っていたって、塞がれた場所には進めないのだから。
角を曲がった足音が、ザッと擦れて止まるのが聞こえた。
……だって、そこは行き止まりだものね。
向こうの身体能力はわかっているから、それでも闇雲に突っ込んでいくようなことはしない。
「追いかけっこはおしまいだよ!ルーカス君!!」
3人と3匹で目配せをし、目標を追い込んだ路地に躍り出る。
……けれど、そこに居たのは彼の相棒のオドシシだけ。
「上です!!」
少し遅れて路地に入ってきたパピィちゃんの鋭い声で、スザンナさんと共に反射的に飛びのく。ぱしゃり、と足元にマゼンタのインクが飛び散った。
*****
「あーあ、誰か1人でも倒せたらと思ったんだけどなぁ……」
ソワーズの背中を借りて飛び乗った、2階の窓枠からの攻撃は、すんでのところでかわされてしまった。
相手が1組だったらだいたい成功していたのだけど、さすがの連携だね。声をかけられてすぐ動けるティアちゃん先輩とスザンナさんの反射神経もだけれども。
ともかく状況は相変わらずの2対6。ここは行き止まりの路地。おれの反撃は失敗。でも、そのちょっとした時間があれば十分なんだ。
「おれがこの街で、ただ逃げてるだけだなんて思わないでね」
そのつぶやきが、シアンチームに届いたかはわからないけど。
路地に影がさして、ばさり、と羽ばたきの風が舞った。
*****
事前にちゃんと作戦を練って、道順もある程度頭に入れて、連携を取りながらルーカスさんを追い込んでいました。順調な、つもりでした。
数の上ではこちらが優位、たしかにそのはずだったのです。
けれど現実に、追い込んだと思ったルーカスさんの両脇には、マンタインに乗ったスズランちゃんと、天李ちゃんにまたがったかなたさんが降り立っていました。
ルーカスさんが2人と連絡を取っていた様子はありませんでした、そんな余裕はあげなかったはずです。
なのに、なんで……!!
ちょっと泣きそうになったその時、かつりと小さく、隣でユズリちゃんが蹄を鳴らす音が聞こえました。
……そうですね、私はひとりではありません。本当の勝負は、ここからです!!
*****
ーーここで待ってて、おれがどこかのチームを何人か引っ張ってくるから。まとめて叩こう。
そう言って駆け出していったルーカス君は、宣言通りシアンチームの知り合いを連れてきたみたい。顔から余裕が消えているから、思ったよりも手強かったのかな。
ルーカス君の反撃が外れたのと同時に、私も潜んでいた屋根から天李とともに身を踊らせる。反対の屋根から、スズランちゃんも飛び出して、3対3、相棒たちも合わせれば、6対6での対峙になったね。
普段は仲良くしているけれど、こういう場合は話は別。相手にとって不足無し、そんな台詞が似合うかな。
*****
スズランさんとかなたさんが飛び出したのを見送って、わたしは屋根の上で待機です。
持てるだけの風船を抱えて、じっと息を潜めます。
ルーカスくんが相手チームを誘い出して、スズさんとかなたさんとで注意を引いて、隙をついてわたしが仕掛ける戦法です。
いまのところ作戦は順調、シアンの皆さんはこっちの人数が増えて驚いたのもつかの間、迎え撃つ態勢に入ったみたいです。
双方の間で、空気がぴりりと張り詰めるのがわかります。それぞれのポケモンたちのやる気もひしひしと伝わってきます。
さぁ、いよいよわたしの出番でしょうか!!
*****
向こうはそれぞれ中型の水鉄砲。きっと3組それぞれ突撃する作戦でしょう。対してこちらはパピリオンさんは後方支援。実質の前衛は2組なので、立ち回りが重要になりますね。
出来れば誰から攻めるかティアさんとコンセンサスをとっておきたいけれど、そんな余裕はなさそうかな。
ならばもう、味方を信じて飛び込むのみ、私達の連携なら大丈夫。
そうやって、ペン型の武器を握り直した時でした。
「あっ……!!」
緊迫した空気を破ったのは、いっそ場違いなほど可愛らしい声でした。思わず声のした方を見上げると、そこにはたくさんのピンク色。
ーー水風船、マゼンタ、相手チーム、どこから、避けられる?、無理
たくさんの情報が一気に頭をよぎります。走馬灯のように、だなんてインタビュー記事の中でしか使った事がありませんでしたが、これはまさしく……
*****
突然、マゼンタの雨が降りました。
気分はそんな感じでした。
マゼンタは私たちのチームカラーだけれど、シアンチームのシャツはもちろん、私たちのシャツまでまっピンクに染め上げられてしまいました。
何が起こったのか、ですか?
えっと、奇襲をかけようとしたマナが、転んじゃったみたいです。あっ、マナはプリモくんに支えられて無事だったのでご安心を!
向こうのチームのシャツが染まっているから、いちおうこっちのポイントになるのかな?
だけど私たちのシャツも、一度着替えなきゃダメみたい。
まだまだ時間は残っています、仕切り直して再戦だね!!
*順番はティアちゃん→ルーカス→パピィちゃん→かなたさん→マナちゃん→スザンナさん→スズランちゃん、のつもりでした!
*口調とか人称とか間違いあったらごめんなさい〜〜
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